「よく泣くね」

「だ…って…」

「でも泣くっていいことだし、いいか」

「…?」

「泣くってことはストレス発散にもなるじゃん。いいことだ」

私の頭を撫でながら、瑛は笑った。

私はますます涙が溢れた。
この優しさにしがみつきたくなった。

でも、私はもう誰も好きにならない。

もう…誰も。

「さ、笹野!お前、何やって…」
勢いよく入ってきた和哉。
私は、ぱっと瑛から離れた。

「いーとこだったのに」

「はぁ!?お前は甘いもんだけ食って寝てろ!」

「じゃ、食べるわ」

そう言って、私に近づいてきた。

…え?食べるって、私甘いものじゃないんだけど?