琉は私を引き寄せて、抱きしめてきた。

「やっ…やだ!」

両腕をつかまれて、キスをされた。
驚きと恐怖が混ざり合い、私は硬直した。

唇が離れて、また抱きしめられると思い、私は琉の頬を叩いた。

「あ…っ…」

私はまた走った。
もうやだ。瑛、助けて。

学校が近くなると、私はさっきよりも速く走った。

教室には瑛だけがいた。

まだ早い時間だからかな。

瑛は寝ていて、静かな寝息が聞こえた。

私は安心して涙がぽろぽろと頬に伝って落ちた。

「…また泣いてる」

寝てたんじゃないの?
起き上がって、私に近づいてきた。

「ほら、飴ちゃんあげる」

飴玉を渡されて、抱きしめられた。
私も自然に瑛を抱きしめてた。