「馨、明日も昼休み屋上おいで」

私の家の前まで送ってもらっちゃった。

「…同じクラスなんだから、いつでも話しかけてよ」

「そっか。そうだった」

私は瑛から、またひとつ飴玉をもらった。

「瑛、ありがとう」

「ん?」

「ううん。じゃ、また明日」

「また明日」

瑛の後ろ姿を見つめ、見えなくなると飴玉を握りしめて家の中に入った。

瑛、ありがとう。

琉に言ってくれて。

私の好きなものも分からない人と私は高1の夏から付き合って悲しい思いばかりしてたんだ。
瑛は…いつから私の好きなものを知ってたんだろう。


私は部屋に行って、すぐにベッドに倒れた。

頭がぐるぐるして疲れた。
今日はもう寝よう。