『日和、好きだよ』
彼は優しい眼差しであたしを見つめて、
『…ずっと好きだった』
吸い込まれそうな深い色の瞳が幾重にも光を取り込んで目が離せない程惹き付ける。
『…わたしも』
あたしは頷いて、頬を染める。
彼の手はゆっくりとあたしの唇に触れて、甘美な幻惑をくれる。そのまま指先はスーッと胸元まで伸びた。
『じゃあ脱げ』
――――――――――――――…ハッ!!!!!!
あたしは布団を力強く握り締めたまま、ドクンという体の反射で目を覚ました。所謂、夢の中で飛び降りたみたいな感じで、体の重心が不意打ちで下がっていく妙な感覚。
…夢だったんですね。
額に流れる寝汗。
心臓がいやに音を立てる。