「しかもお前………
 冷たくなったってなに?」


はぁ、とため息を落とす泰介がわたしをもう一度抱きしめ直した。


「だって泰介、
 いつもわたしのこと
 冷たい目で見るじゃない」


「お前よりでかいんだから
 見下ろす感じになんのわ
 しょーがないだろ」


「でも‥‥
 お弁当だって、作れって
 言うわりに『まずい』とか
 『あまい』とか‥‥」


「甘いは褒めてたの!
 言っとくけど俺、もう
 お前のせいで卵焼き
 甘いの以外食えねぇし」


「うそ‥‥」



「ほんとだよ」



泰介はわたしをゆっくり離してわたしと視線を合わせる。



「お前、泣きすぎ」



笑う泰介も。



「脱水症状なるんじゃね」



普通に話す泰介も。