「泰介は、わたしが嫌い?」


泰介が優しくて、ふわふわした気分になって、素直に気持ちが言えて。

今、これって
夢の中なんじゃないかな?



「…中等部の制服って
 高等部じゃめっちゃ
 目立つんだよ」

「なんでそれでも
 わざわざお前んとこ
 行ってたと思う?」



わたしが黙って泰介の制服を掴むと、泰介はぎゅっとわたしを抱きしめた。

答えはわからないし、嗚咽が止まらない。



「それに。なんで毎日
 購買行きゃいーものを
 お前に弁当
 頼んでたと思う?」


「‥‥お金がうくから?」



嗚咽まじりに答えて顔をあげようとすると、先輩はいなくて、泰介に顎カックンをされた。


「いたい‥‥」

「鈍感」