「嗚咽で何言ってるか
 わかんねぇ」


え?


「泰介くん!υ」


びっくりして顔をあげると、わたしの目の前には泰介がいて、先輩は泰介に『しーっ』てポーズをしていた。


「え‥‥?」


「鼻水でてるし」


昔みたいに笑う泰介。


「泰介‥‥いつから?」


それが嬉しくて、今度は神様が優しくて、また涙が出てきた。

「顔くしゃくしゃだし」

「始めからだよーっ♪」


花みたいに笑う先輩と、優しく笑う泰介。

なんだかみんなが
わたしに優しいから。



「泰介が‥‥優しい‥‥」



わたしは泰介にしがみついて泣いた。先輩という立派な彼女の目の前で。