わたしの頭を、そっと優しくなでるあったかい手。


この手が泰介ならいいのに。


だけどわかってる。
神様はきっとわたしが嫌いだから、わたしの淡い期待はいつもことごとく破られてきたもの。



「先輩‥‥わたし、多分
 泰介のことがスキです」




「ごめんなさい」



わたしがこんなこといったのは先輩がとても優しいからで。


わたしの顔は
きっとまだくしゃくしゃで。

涙も嗚咽も止まらなくて、顔をあげることも、両手を顔から離すこともできなくて。


どこまでも一方的にペラペラ話して、今度は俯いて泣き出すなんて、失礼な子だと思われても仕方ない。


昔、泰介と喧嘩した時みたい。