■





「はー…」




「溜息つくと幸せ逃げるんだぞー」




「もう幸せ逃げてるっつーの…」





  俺がこんなに落ち込んでる理由、



  それは…







「奈瑠が他の男と歩いてたとか

 ありえねーよ」







  そう。




  昨日の夜、親父に傘を届けるために


   駅目指していたら、




  奈瑠らしき人が


  誰か別の男と腕をくんで歩いてたんだ。