「えっ奈瑠っ!?」





   私は後ろから聞こえてくる驚きの声も無視して、




    お店を出た。










「まてよっ」





    その言葉と共につかまれた手首。





  後ろを振り向くと少し息を切らしてるリュウがいた。




「何で帰んの?

 塚、何で泣いてんの?」




「っ…泣いてない…」




「嘘。泣いてる」




「…なんでっ…」




「え?」




「なんでっ…人前であんなっ…
 あんな事できるのっ…?」




「…キスの事?」