「あぁ~ダリィ…説教とかダリィし」


ツバサは自動販売機で買ったジュースを飲みながら言った。


「もう…呼び出しは今日で何回目だと思ってる?」


アイリが少し怒り気味で言うとツバサは、


「えっと…3回目?」


ツバサが苦笑いしながら言うとケイが、


「7回目だ…お前の頭んなかで勝手に4回分記憶から消去すんな……」


ケイがあきれたように言うと、遠くから声が聞こえた。


「ツバサ~!ケイ~!アイリ~!!」


元気に駆け寄って来た黒髪のショートカットの少女は『ハルナ』


隣りにいる茶髪でサッパリした少年は『ツカサ』


「おぅ…説教はケイのおかげで助かった」


「まぁ暗い話はいいから…どっか行こうぜ!!海なんてどうだ!?」


ツカサが明るく言うとみんな顔を見合わせて賛成した。


「おっし!じゃあ行くぜ!!」


ツバサの掛け声と共にみんな走り出した。










「わぁ~!!!やっぱり海はキレイ~♪」


アイリとハルナとツカサは海に着くと真っ先に走って行った。


「明日から夏休みだな!そうだ!みんなで遊びに行こうぜ!!いいだろ?………ケイ?」


ケイは遠くを見つめながらなんだか悲しい顔をしていた…。


「ケイ…聞いてんのか?おい!!」


「…えっ?あぁ…悪ぃ」


「何かあったのか…?どうしたんだよ」


ツバサが問い掛けてもケイはうつむいているだけだった。


「………どうせ言っても消えるなら同じことだよな…」


「…は?」


ツバサにも聞き取れないくらい小さな声で言った。


「おい!何だよさっきから…どうしたんだよ?」


「…俺は………」


「『俺は』?」


「この街を出て行く…」