授業中私は暁の方をふと見る。だけど暁を見ていない。暁よりずっと向こうの窓の外。
すると、暁が「どうかした?」とでも言いたげな表情で私を見る。
そんな暁に私は微笑む。

…本当は暁に気付いて欲しかっただけ。直接顔を見る勇気がなかったから、暁に気付いて欲しかった。

でも、その時の私は、暁の事が男の仔として「好き」なんだとは、思ってもみなかった。
ただ、1人の大切な友達として暁が好きだったと思っていた。
…だから暁の気持ちも読めなかったんだ。