私がそいつと知り合ったのは…正確にはよく分からない。何故なら、幼稚園から一緒だったから。
いつしか仲良くなっていたのだと思う。

そいつの名前は暁。遠都暁(トオミヤアキ)だ。
私は「暁」と呼んでいた。暁は私を「古橋さん」と呼んだ。
私の名前は古橋瑠依(フルハシルイ)である。

私は「古橋さん」と呼ばれる度に、ほんの少し、心が痛んだ。
「古橋…さん。」