「緊張しなくていいのに。あっ、俺、桐谷隼人。」


男の人はそう言うと手を差し伸べてきた。

でもその手がなんなのかわからずじっと手を見つめているだけの私に、


「聞いてた通り天然だね!美羽ちゃん。」


そう言って私の手を掴み

「行こ?2人が待ってる。」


「はっはい。」


もちろん家族以外の男の人に手を握られたことのない私は顔を真っ赤にしていたことは私だけの秘密…ー。