ケェエエ〜〜〜!!!!



「あ、九九鳥だ!戻らないと」



九九鳥は、朝を知らせる鳥で侍女たちは常にこの九九鳥の鳴き声で起こされるのです



(そろそろシャナやメイが起きちゃう時間だ)



「えー、フォル、もう行くのか?」



「う、うん。お嬢様の朝は早いから…」



「そっか。カシェルクの姫さんは早起きなんだなぁ」



(はは…早起きすぎて怒らるけどね…)



「じゃあ、僕はもう行きます。フェルナンド、デボンさん、今日はありがとうございました」


「おう、なんなら、また来いよ?」


「え、いいの?」


「当たり前だろー。」


「うむ」


フェルナンドもデボンさんも、頷いてくれてアリュエインは嬉しくて跳び上がりそうになりました


(警備兵の人たちと朝稽古…!!すっごく嬉しい…!)



「ありがとうございます!!じゃあ、また!」


「おう、またな」


「うむ」


アリュエインは、二人に手を振りながら急いでもときた道を戻っていきました





ーー……


「なかなか面白い奴でしたね、タイチョー」


「あぁ、カシェルクといえば辺境の地と聞いていたが、案外腕のある奴が多いのかもしれんな」


「辺境だからこそ、自分たちの身は自分たちで守るしかないんじゃないっすか?」


「…そうかもな。あんな小さい子もあれほど剣技が使えるのだから」


「王子様に見せてあげたかったっすねー」


「王子様は、これから五人のご令嬢と過ごさなくてはならんらしい。今はそんな時間ないだろう」


「王子様も大変ですね」



「…何が大変だと言うのだ?」


「そりゃあ、あの女嫌いが……って!王子!?」


フェルナンドが振り向くと、王子…シークラントが眉を潜めて仁王立ちをしていました


「いつの間にきてたんすか?」


「今だ。全く、お前に同情されるとは不愉快だな」


「心配してあげてるんですよー?」


「どうだかな」


軽口の応酬をしあう二人に、デボンは小さくため息をつきました