王宮警備兵…
国1番の強さをもつ男たちが、国の最大守護防壁を構える集団
ここに入るのは、国での地位も保障される男たちの憧れでした
(そこに僕が…?……は、入りたい〜…)
きっと、故郷の皆は羨ましがるだろうなぁ…と、顔馴染みの兵士たちを思い浮かべてニヤニヤしているとデボンが、どうだ?と声をかけてきました
「もし、フォルトマに入る気があるなら私から王様やカシェルクの姫様に掛け合おう」
「おー、いいじゃん、いいじゃん。なぁ、フォル、お前警備兵な入っちまえよ」
フェルナンドが、期待した目でアリュエインを見つめていました。
(入りたいなぁ………………でも…)
「すいません…。僕、警備兵に…憧れてはいますけど、……アリュエイン様がたをお、お守りするのが…カシェルク領主様に命じられたことですので…」
他の奴なら、一もにもなく頷くだろうせっかくの申し出を断るのも、ましてや嘘をつくのは心苦しいことで、アリュエインは帽子をギュッと被り直しました
(…僕が、本当に”フォル”だったら良かったのにな…)
俯いたままのアリュエインの頭を誰かの手がポンポンと軽くあたっていました
「んな気にするなよー。確かに残念ではあるけど、お前には自分の仕事があるんだからしゃーねーよ」
「フェルナンド…」
「うむ。自分の使命を第一に考えるのは大切なことだ。お前は、それを気に病むのではなく、誇りにしてもいい」
「デボンさん…」
「ま、今はカシェルクの姫さんたちを守る仕事だろうけどさ、その仕事が終わったら、また考えてみてくれよ。フォルなら大歓迎だ。ねー、タイチョー?」
「あぁ」
「あ、ありがとう…ございます!」