「フェルナンド!一体何をするんだ??」

アリュエインはフェルナンドの後をついていって訓練を続けている兵士たちのもとに行きました。

「んー。そうだなぁ…。まずフォルの腕前を見せてもらおうかな。」

「じゃあ、早速!!構えて、フェルナンド!」

「えっ!!?俺??いやぁ、こういっちゃ何だけど俺は強いからね。すぐにかたがつくのもダメだし…」

アリュエインはそれを聞いてムッと頬を膨らましました。

(何だよ、フェルナンドのやつ!!僕のこと、馬鹿にしてんのか!?)

ムーッ!
と怒りのオーラを出すアリュエインにフェルナンドは苦笑した。

(全く、血気盛んな年頃なんだねーフォルは。)

「フェルナンド!!僕と手合わせしてくれ!」

「いやぁ〜、でも…」

「僕の腕前が知りたいんだろ?なら、君が僕と直接打ち合えばいいじゃないか。」

アリュエインの言葉にフェルナンドは少し考えたそぶりを見せた後、
「仕方ねーな」
と渋々承諾しました。

「全く、フォル、痛い目みても知らないからなぁー。おい、誰か練習用の木剣を持ってきてくれ!」

すると、周りの訓練していた兵たちが、何だなんだとアリュエインとフェルナンドを囲むように集まってきました。

「おい、何が始まるんだ?」

「打ち合いか?」

「あれ、フェルナンド副隊長じゃねーか。誰だよ、そんな命知らず!」

「…っておい、あのチビ誰だ??」

さまざまな会話が飛び交う中でアリュエインは自分の剣を地面におき、持ってきてもらった木剣を振って自分に合うか調節していました。

(少し軽いくらいだな…。よし、大丈夫だ)



フェルナンドも準備はできているのか、余裕ある表情で立っていました。

「フォル〜、準備できたか?」

「あぁ、大丈夫だ」

「じゃ、やるか。隊長〜!審判お願いしまーす」


すぐに人の輪が割れて、デボンがどしどしと歩いてきました。


「フェルナンド…お前がやるのか。」

「だってフォルがさー」

「…やりすぎんなよ」

「分かってる」

それにデボンは頷いた後、片手を上げて叫びました。


「これより、練習試合を始める!両者構えて…………始め!!」