「…何だろ?」


アリュエインは持ち前の好奇心から音がする方へ歩き出しました。


キィンカキン


近づいていくにつれて、その音は何重にも聞こえてきました。


(これは…剣の音…?)



アリュエインはゆっくりと気配を消して音の方へ意識を集中させました。
すると、剣の音の他にも何人もの人の声が聞こえました。



(……あ、もしかして)



アリュエインはこの音の正体が何か分かってきました。そのとたん、アリュエインは熱さで真っ赤になっていた頬をさらに染め、嬉しそうに目をキラキラさせました。




(これは、…兵士の鍛練所だ!!)



アリュエインは少し足早になりながら、近づいていきました。

そして、そこに映った光景はアリュエインが予想していたものと全く同じでした。



「うらー!!そこ!踏み込みがあめぇぞ!!怖がってんじゃねー!!」


「「「おす!!」」」



防具を身につけない状態で、何十人もの男たちが汗を流しながら必死に剣をふるっていました。


(うわー…!!すっごい気迫!!さすが王宮を警備しているだけあるなぁ!)



アリュエインは目をキラキラさせたままその様子をじっと見つめていました。