「…ね、ねぇ…ジョー…これって、もしかして…」

「ああ…これは…」

「…月影成一の最愛の妻…幸代さんの棺(ひつぎ)…」

4階の部屋には大きな棺と地下の隠し部屋と同様に壁一面に月影成一と妻の幸代の若かりし頃の写真が貼られていた。

「…未遂探偵…J…なにが言いたいんだ?…これが…推定数十億の財宝と言いたいのか?」

月影成一の名を名乗っていた男は周りを見渡しながら足元から力が抜けるような感じに床に座り込みジョーに声を掛けた。