「…何故だって?…ふぅ…それは、オレの記憶の中の月影成一とアンタが違ったから…」

「??」

「…オレの知る限り…月影成一は数年前に年齢的な理由により建築業界から身を引き、山梨県の山中にある古城でひっそりと1人で暮らしていたはずだ…
はっきり言って、そこにいる月影成一とはとても似ても似つかない。」

「……」

「それに、オレが雑誌で1度だけ写真で見たことのある月影成一より若すぎる…」

「……」

「…そして、なにより『無命城』というこの城の名前…この名前の本当の意味に気付いていなかった事…
それがニセモノだと確信させる決定的な証拠さ…」

「…本当の…意味??」

月影成一の名を語っていた男がジョーにそう聞くとジョーは床に落とされた拳銃を拾い集め…