生徒会長!?
あのおかしな男が…?!
思わず声を荒げて
言いそうなところを
何とか抑える。

そんな棗に蘭は笑顔で聞いた。

「高槻(タカツキ)玲君見なかった?」

艶のある唇に、垂れ目がちな
イエローブラウンの瞳。
長いブラウンの髪は後ろで
捩って束ねてある。

学生から見たら色香のある
大人の女性だが、
生徒会長という玲は
先生に何をしていたのだろう。
棗は少し考えたが
頭の隅で続く頭痛に
その思考を停止した。

「…いえ。それより、
気分が悪いので薬をください」

「あなた学校に来るたびに
気分が悪くなるのね。大丈夫?」

「寝れば治ります」

素っ気なく答えると薬を受け取り
一気に飲み干す。

ベットの周りのカーテンを引くと
さっさと棗は横になった。

色々と考えたいことはあったが、
あまりの頭痛のひどさに
たまらず意識を手放す。



高槻玲、ぼんやりと
その男の名前だけ
頭の奥に残った。