授業など全く聞きもせず
玲は隣の棗を見た。


今日のところは
おとなしく席に付いているが
外をずっと眺めてノートなど
とる気はないようだ。


心がよめるのならと
こっちを向くようにいろいろ
考えてみたが
まったくこっちを向く
気配がない。

ただのうわさか、
それとも無視してるのか…。


どっちにしろ
まどろっこしいのは
性に合わない。

玲は深くため息をつく。



俺のシマを荒らすのは許さない。
今夜あたりお宅に
お邪魔させてもらうよ。

器用に指でペンを回しながら
玲は心の中でつぶやいた。