「気分でも悪いの?」

「…別に」

なんだろう、
色の数が少ないから
少しホッとするかも。

人とは違うその色に
はじめは棗もびっくりしたが。


「…ってあなた、昨日は
そこの席じゃなかったわよね」

普通に隣の席に座ろうとしている
玲に棗は思わずつっこんだ。


「席を換わったんだよ。
黒板が見えにくいって言うから」

いたずらっぽい笑みを
玲は向けてくる。



棗は眉をしかめた。