まだ始業時間には早い朝の時間。

学校にある一室とは思えない
豪華なチェアセットの置かれた
生徒会室でゆったりとした
大きいソファーに腰掛け
玲は書類に目を通していた。

西園寺棗(さいおんじなつめ)
外資系企業を何社も持ち
一流ホテルやレストランなども
保有する西園寺グループの一人娘。
父・晃、母・菖蒲ともに
西園寺グループの会社を経営。

一族にハンターの経歴が
ある者はない、か玲は
頭の中で呟いた。
とするとハンターを知らない
棗の様子も演技ではなさそうだ。

玲はいったん書類から
視線を外す。

「他に何か情報はないのか」

そばに立っている女生徒を見る。

「生徒会長が特定の方に
興味を持つのは珍しいですね」

女生徒は質問の答えでは
ないことを口にした。
妬いているのだとわかって
玲は笑顔を見せる。

「俺は全ての女の子興味がある
でも君が一番だよ、副会長」

副会長と呼ばれた女生徒は
思わず顔を赤らめ俯いた。
そんな彼女の手をひいて
自分の方に引き寄せる。

「そういえば彼女には
人の何かを読む力があると
うわさで聞きました」

副会長の言葉に玲は動きを止めた。