「おはようございます、
お待ちしてましたよかぶるんじゃーさん」

昨日のおじさんたち。

「今日はよろしくお願いします」

「じゃぁかぶるんじゃーさん、
 これがプログラムなんですけど
 劇は最初にやっていただきます」


最初?
1番ってこと!?
冗談キツいっすよ…


「じゃぁ、開会式から劇にかけて
 早速ですが通しますね。
 敵役の方ももう来ていらっしゃるんで」

黒の全身タイツに
覆面を被った5人組が現れた。
ジャージと覆面の私が言うのも
どうかと思うけど、怪しい。

私たちもこんな目で見られてるんだな…
少し悲しくなった。



司会のおじさんが開会式の進行を始めた。
開会式は20分に設定されているらしい。

長いだろ。

そのうちの15分は町内会長の話だった。


「なんと、今日は町のヒーローが
 お客さんとして来ていますよ」

司会のおじさんの言葉が入る。


「で、ここでかぶるんじゃーが登場して
 ポーズを決めたら敵役が入ってきます」

説明のあと練習をはじめる。

それにしても敵は怪しい。
泣く子が出そうなぐらい。
…かぶるんじゃーも一緒か。



「では、本番よろしくお願いします」


そろそろ開場の時間だ。