家から駅までは自転車で、十分ぐらい。チャリに乗ってるとなんとも言えない夏の匂い

がしてきた。もうすっかり桜は散り、俺の大好きな季節《夏》が近づいて来るのがわか

った。俺は≪超≫が二つ付くぐらい匂いフェチだった。特に季節の初めに匂うその季節

独特の匂いに、生きてるという実感すら覚えていた。駅に着くと携帯がなった。携帯を

見ると「高橋明」だった。『もしー!りゅうーお前何処いんのー?』『おーアキラ!俺

地元の駅にいるよ-!』『ナイス!俺ももうつくから待ってろ!』『わかっ・・』切れ

てる。明は「じゃあね」とかなしですぐ電話を切る癖が有りそれで、もめたこともあっ

た。