『ただいまぁー!』ポンっと玄関に教科書の入ってないカバンを置いた。『おじゃまし

まーす!』マキの声は玄関に響いた。『おかえりぃー』嬉しそうにばーちゃんが出てき

た。『こんばんはマキちゃん!アラ!マキちゃん制服可愛いわねぇ!セーラー服だった

け?』ニコニコしすぎて顔が梅干のばーちゃん。『こんばんわー!お久しぶりです。う

ちの学校制服だったら自由なんですよ!だから今日はこれで!』久しぶりに会ったせい

かマキも嬉しそう。『いーよな!都立は自由で・・・俺なんて今日も頭髪検査でガタガ

タ言われたんだよ』さっきの留学の話が心に残っている。『じゃあ、ご飯出来てるから

食べましょうよ!リュウのリクエストの茶碗蒸しできてるよ!二人とも手洗ってらしゃ

い』口の横に唾を一杯溜めて話すばーちゃんの茶碗蒸しの匂いがしてきた。「はーい!!

一回、俺の部屋で着替えようぜ!」手を洗いながら鏡越しでマキの顔を見ると、ニコニコ

しながら手に泡を溜めて『ウン!』と答えた。俺の部屋は割りと綺麗だ。