「どうだったわけ?ロスは?かっこいい外人にナンパでもされた??」すると、後ろか

らコツンとゲンコツされた。「ん~やっぱりアメリカはすごいよ!!何だか本当に自分

の小ささとか、甘ったれてる自分が恥ずかしくなったよ!リュウも行ったほうがいい

よ!!アメリカ!!本当に圧倒されっぱなしだった。」その話し方からして本当に圧倒

されたのが、伝わってきた。「へ~、いい経験したな!!いいよな~海外!俺等なんて

修学旅行、九州だぜ~。マジわけわかんねーよ・・・私立で九州ってなんだよ。金返せ

よ・・・」「ははは!金返せって意味わかんないよ!でもさぁ~リュウ達を海外に連れ

て行くのはちょっと先生達可哀想じゃない!責任取れないから九州なんだよ~」と笑い

ながら言っているものの、少し、あ~そうかもって納得してしまった。「リュウはさ

ー、どうするの?将来?』いきなり聞いてきたマキの声は少し冷たく感じた。『なんだ

よ!急に、また、進路希望調査かよ~。んーどうしよ・・・リーマンにはなりたくねー

し、なんか店とかもちたいよな!自分の!』『ふーん。何のお店?っていうか、りゅう

はサラリーマンにもなれなそう。歌手は?リュウ歌手になりたかったんじゃなかった

け?』『なりてーけど、なれねーよ!マキはなにやりてーの?』とわざと自転車を壁に

ぶつけようとした。『もー怖い!ばか!私は・・・留学したい。』なにか間のあいた答

え方がすごくリアルに感じた。『そっか~!留学かぁー!留学してなにしたいの?でも

そしたら、離れ離れだな!』試してみたかった。『んーそうだね。でも一回の人生だ

し、色々やってみたいな!向こうの生活がしたい。英語しゃべりたいし・・・駄目?』

『いゃー駄目とかじゃなくね!お前の人生だし。兄貴も留学したけど、かなりよかった

って!いいじゃん!留学!』俺なりに精一杯大人ぶって強がってみた。『おーし!家つ

いた!疲れたな!ばーちゃん待ってるから、早く家はいろうぜ!』自転車をガレージ脇

において汗をぬぐいながら言った。