フチの入ったメガネの奥は、いつも知ってる切れ長い瞳。

チョークを握る手は、大きくてゴツゴツしてる。


あの瞳にみられると、どうしても逆らえなくなる。


あの手が触れると、どうしようもなく…
――…せつなくなるよ。



「――…っ」

恭兄と、視線が絡む。



ドクンッ



ドクンッ――…




せわしなく鳴る心臓。




どうしよう…

授業中なのに……

目があっただけなのに……

そんな小さなことが、すっごく嬉しい。