8月31日。
午後15時、僕と有希と宇宙は学校にいた。
何とか許しをもらって出てきた宇宙。

無理はしないとの母親との約束だった。
学校の中を案内する。

自分達の教室。
僕と有希はここに座って勉強するんだ。
先生の話は面白くないんだ。

職員室。
先生がいるところなんだ。
あまり行きたくないけどね。

図書室。
本がいっぱいあるんだよ。
1・2回しか行ったことないよね…

音楽室。
歌を歌ったり楽器を弾いたりするんだ。
宇宙はピアノが得意だったよね!!
今度聴かせてほしいな!!!

行く場所行く場所で宇宙は感動の声をあげていた。

「これは何に使うの?」
「給食って美味しい?」
「春君も有希君も絵が上手なのね」

楽しそうだった。
笑顔の中に憧れがいっぱい詰まっていた。
そして、どこか切ない表情を垣間見せた。

ある程度案内して次はお祭りに向かう。
なんだかんだで2時間も学校に居た。

宇宙の笑顔が見れて僕は素直に嬉しかった。
お祭りもこの調子で楽しんでもらおう!!

神社に向かう道中、お礼だと宇宙は歌ってくれた。
朱色に染まる空に宇宙の澄んだ歌声が響いた。
僕も有希も静かに、耳を傾けた。