「やだ。」
何コイツ。
『ヤダじゃない。離・し・て!』
「だからやだ。」
『大声で叫ぶよ?はなせー!って。』
「いいよ?」
『青樹君の名前も叫ぶよ?』
「いいよ?」
『この先の人生どうなるか分からないよ?』
「いいよ?」
『叫ぶよ?マジで?』
「叫べば?お前の立場が無くなると俺は思うけど。」
『じゃあ離してよ。』
「やだ。」
『――――――ッ。離せぇっ!』
ガッ
「――――――って…」
ダダダダダダ…
『ハァッ…ハァッ…もう追ってこないかな…。』
ガクッ
『…体の震えが止まらない…ッ。』
私あのまま青樹に押さえつけられてたらどうなってたんだろ
あの人がほとんど来ない昔の器具庫。
ほんのりとホコリ臭いあの倉庫
きっとあのまま居たら私、
大変な事になってた。