「 ありがとう 」


それに答えるように
私の声もかすれていた。


でも今日初めて潤に
抱きしめられて
気づいたこと。

身長もいつのまにか
私より何cmも高くなってて

肩幅も凄く広かった。

私が思ってたような
弟の潤はどこにもいなかった。

潤といると安心して
この頃だけだけど,どきどき
するようになった。


「 潤 」
「 あ? 」

「 泣いてるー! 」
「 お前もだろーが 」


さっきの緊張感はもう
どこにもなかった。

潤はもう弟なんかじゃなくて
〝大切な人〟

次第にそうなっていってた。