真剣な表情と
真剣な声で彼は
じっと私を見つめた。

そんな真剣な彼を
見ていたら、

おさまっていた涙が
再びスムーズに顎まで
流れ落ちた。

唇を強く噛み、
視線を下に向けてから、
再び彼に視線を向けた。

それから彼の肩に
涙を拭うように
顔をくっつけた。


「 …抱きしめてよ 」


凄く身勝手な事を
言ってるのはわかってた。

でも,
誰かのぬくもりを
感じたかった。

いや、誰かじゃない。
潤の温もりを
感じたかった。

いつも隣にいて、
いつも慰めてくれる潤が
いてくれると、

凄く安心できた。


すると潤は何も言わずに
静かに両手で私を包み込んだ。