ガタンと大きな音をたてて
私は席を立った。

音は教室に響いて,
皆視線が集まる。

そんなの気にしないで
私は教室を飛び出した。


( 嫌だ )

( 嫌だ )

( 嫌だ.. )


この言葉しか
頭になかった。


私は図書室のドアを
思い切りあけた。


「 陽太!! 」


しかしそこには,
虚しく窓のカーテンが
揺れているだけで,

誰の姿もなかった。

次に私は屋上,
使ってない教室,
中庭..

あらゆるところまで
走った。

走って,走って
陽太と間中さんは

見つからなかった。