「 ねえ、陽太 」

「 … 」


( なんなの、さっきから
なんかかなり嫌な感じ! )


私は短気だからこういうのに
いつもキレてしまう。

でも陽太だけとは
喧嘩したくない。


「 …待ってよ!!! 」


思い切って前を歩く
陽太の腕を掴んだ。

皆の視線が一気に集まる。


「 どうかしたの? 」

「 いや、
なんでもない…ごめん 」


「 …ん 」


それから10秒くらい
2人の間には沈黙が続いた。

なんか、凄く嫌な空気。
こういう空気は本当嫌い。


「 先行く 」


陽太の返事も聞かずに
私は走って教室に向かった。

腹が立つ。

意味わかんない陽太と
あれだけの事にスネた私に。


〝久しぶりだね〟


( ていうことは
陽太の知り合い、だよね。 )