どうしてもさっきの
陽太の台詞が、

頭から離れなくて―…


すると陽太は
私に笑顔を見せてから

自転車にまたがって
反対方向を向いて

ゆっくりと進み出した。




〝俺、高橋が好き〟

〝私、先輩が好きです〟


〝俺実はさ、
好きな人がいて〟

〝石原..なんだ〟




―…待って


「 陽太!!! 」


遠くに見える陽太は
私の声に気づいて

ブレーキをかけた。


彼に聞こえるように
大声で叫んだ。



「 あたしも..
あたしも陽太が好き!!! 」