「私は団長のアルビレオだ」


黒いシルクハットを目深に被った長身の男が軽く会釈する。男は紅い髪を軽く跳ねさせており、金色の切れ長の瞳が有無を言わせない威圧感を感じさせた。


「君はどうしてこんな場所にいるんだ?」

「………男を探して、る」

「男?」

「紅い長髪の男、目も紅だった」

「!」