「あ…で、あなたの名前は…?」

私はドキドキしながら聞いた。


「…福島太陽。」


独り言みたいに、あの人は言った。


…太陽…かぁ、
意外といい名前してるじゃん。


「あっ…太陽くんって呼んでもいいですかっ?」

「別にいいけど」


「ホントですかっ?!ありがとうございます!」

…そこまで騒がなくてもいいのに。

でもこういう人に限って、モテたりするもんね。
なんかムカついちゃうんだけど。


「じゃ、俺部屋戻るから」


「はい!」


夏は元気よく返事をした。

「…ねぇ、夏。好きなの、あいつのこと」


「え?……なんかっ…ちょっと…ね?」


ちょっとって…
それって好きだと思うけどね。

顔はよくても性格が悪いから
絶対モテないかと思ってたのに…


「ふうん…。あ、じゃあ私
部屋行ってくる!どんなのか見てみたいしっ!」


「あ、うちも!バイバイ!」

「じゃあね!」


パタパタパタッ

後ろで夏が走って行く音がした。


「…はぁ」


なんか…なんだろ…

夏が太陽ってやつのこと
ちょっと好きって言っただけで、なんか…
イライラしちゃう…