「ちょ、彩夏っ?大丈夫?」
「あぁ、うん…あ、で!
先生から地図もらったよ」
「あ、よかったー…
でも普通地図くらいくれるはずなのにね!」
「そうそう…」
私は、夏と話しながら
地図をたどっていった。
…でもなんだろう、
さっきからずっとあの人が頭から離れない。
なんなの、私。
あいつのこと好きなの?
あの性格ぶすが?
は、ありえないよ。
「…聞いてる?彩夏」
「あ、へ!?ごめんごめん!聞いてなかったよー…」
「ったくもう。んでね…」
…あの人の名前、気になる。
名前までかっこいいのかなー。
いや、でも性格すっごく悪いから
名前もなんかアレなんじゃないのー?
「あ!さっきの人!」
夏の言葉が耳に入った。
「へ?どこどこ?」
「ほら…!」
夏の指差した場所には、
いった通りさっきの人がいた。
…ってあれ?
そこ、私達が入る寮なんですけど…
ってもしかして、あの人も同じ寮なの?!