「…悪い?サバ読んでないから。ちなみに駅前の本屋さんで清く正しくフリーターしてます。住所不定だけど」

「なんだよそれ、住所不定って」

清く正しいフリーターって言うのも意味不明だけど、住所不定?

「そのままだよ。住むところ決まってないの。友達のところに転がりこんでいたけど、彼氏が出来て邪魔だからって追い出されてからクラブで知り合った男の家を転々と…」

「なんだよそれ」

それで、昨日は俺に目を付けたってことか?

なんだかばかばかしくて嫌になってしまう。

「…って嘘だし」

「嘘!?何が?どこまで嘘?」

全部ウソとか言うなよ!?

ケラケラと笑いながらも昨夜から持っていた小さな鞄を持って、荷物置きに使っている部屋へと勝手に入っていくルナを追いかけるようにして俺も入っていく。

「なかなか綺麗にしてるねー。ここ荷物置き場?片付けて寝る場所確保してもいい?」

俺の返事を待たずに、積み上げられた雑誌などを部屋の隅へとまとめているルナの肩をつかみ、こちらに向かせる。

きょとんとした顔で俺を見上げるルナは、やはり俺よりも2つも年上には見えなくて。

制服着たら女子高生で通じるよなぁ。

じっと見詰められたその瞳に、思わず吸い込まれそうになってしまう。