「タケシ君、ヨウコが…」

夏休み前から顔を合わせることのなかった俺たち。

何度かメールも電話もしたけど、彼女からの連絡もなく。

「どういうこと?」

涙を流しながらアイちゃんが教えてくれたこと。

ヨウコは夏休みに入ってすぐに病院に入院していた。

ストレスから食事が取れなくなり、栄養出張で倒れたらしい。

点滴生活を強いられ、取り乱した彼女は今薬の力で眠っている。

「ヨウコ、もう生きていたくないって…」

俺に裏切られたと思っている彼女は、何もかもが嫌になってしまったらしく、親友のアイちゃんにすら心を開かなくなっていたという。

携帯も電源を入れることはなくなり、部屋に引きこもる毎日だった。

「時々様子を見に行っていたんだけど、ご飯をまったく食べなくて…今日管理人さんに頼んで鍵を開けてもらったら倒れていて…」

「…俺があんな写真…」

横に居たサトシが、真っ青な顔をしてつぶやいた。

…違う、サトシは悪くない。

あの写真は事実だし、俺にその気がなかったにしても嘘ではない。

ただ、彼女に何としても連絡して説明だけはするべきだったんだ。