彼女と連絡が取れないまま、バイトに明け暮れる夏休みを送っている。

毎日電話をかけて見るものの、どうやら着信拒否されているようで、繋がる気配もなく。

彼女の住むアパートへ行っても、どこかへ行っているのか帰宅している様子すらなかった。

もともと頻繁に会っていたわけではない俺たちだったけど、連絡が取れないことはなかったし、原因は俺にあるのだから何とか話だけでも聞いてほしい。

メールも送っていたけど、8月に入ってからはエラーでメールすら届かなくなってしまった。

「このまま自然消滅かなぁ…」

久々にサトシと二人で飲んでいると、俺以上に落ち込んでいるサトシがビールを飲みながらつぶやいていた。

「まあ、仕方ないのかもなぁ…」

写真の女の子とは何でもないにしても、写真で撮られた内容は事実で。

関係のないことでも、あんな写真を見てしまったら傷ついたに違いない。

「せめて誤解だけでも解けたらよかったけど、なぁ」

小さくつぶやいてビールを飲み干した直後。

ポケットの中で携帯電話が大きな音を鳴らしだした。