カメラの仕事には変わりないようで、常に首からカメラをぶら下げているような人だけど。

誰に何を言われても、俺のことを一番に考えてくれていることはこの一カ月一緒に居てよくわかったから。

「じゃあ、おじさん、俺行くね」

「おう。体には気をつけてな」

電車で帰る俺を、駅まで送ると言ってくれた伯父さんだったけど。

駅で別れると父さんと母さんを思い出すので家からタクシーで駅へ向かうことにして家の前で別れた。

久々に帰宅した家の中は、連休前に掃除をしておいたおかげかそこまでひどく荒れている感じはなくて。

家じゅうの窓を開けて新鮮な空気を取り込む。

今日からまた一人暮らしだ。

冷凍庫の中に、母さんの料理を順に詰め込んでいく。

明日から順に食べよう。

幾ら冷凍してあるからと言って、食べられなくなってしまってはもったいない。

丁寧に書かれた母さんの字を見るとじわっと涙が浮かんできてしまうけど。

明日からは一カ月も休んでしまった大学も始まる。

試験だってすぐだし、遅れた分を取り戻さなきゃ。