「何…で…」

俺を送った後、帰宅途中で信号無視した大型トラックに突っ込まれ、事故で亡くなったと警察に教えられた。

それからのことはよく覚えていなかったけど、近くにいた身内が沢山助けてくれてすべて無事に終わったことだけは覚えている。

突然一人になってしまった俺を、父さんの兄である伯父さんが面倒を見てくれると言ったけど。

家を出て一人で生活を始めたばかりの俺は、大学を辞めて伯父さんのもとへ行くことを選ばずに一人暮らしを続けることに決めた。

独身で、今までずっと世界各地を飛び回っていた伯父さんは、父さんたちの死後すぐに帰国してから俺の実家に住むようになった。

もともと、帰国した時は居候のように滞在していたので、俺は何とも思わなかったし、誰もいなくなるよりは信頼している伯父さんが居てくれた方がよかったと思っていた。

中には、そんな伯父さんのことを悪く言う親戚も多かったようだった。

小さなころから俺にとっては合うたびに俺のことをわが子のように大切にしてくれていた伯父さん。

俺の、たった一人の見方になった気分だった。

葬儀が終わり、一ヶ月後の法要も終わってから久しぶりに帰宅した家。

あの日。

父さんと母さんと別れたあの日に、母さんが持たせてくれた料理は、親戚のおばさんが気を使って冷凍保存しておいてくれた。

それに気がついたのは、伯父さんで。

「タケシ、これはお前が食べるべきだ」

久々に帰宅する俺を送り出すときに、保冷バッグに入れて伯父さんが持たせてくれた。

近くで仕事を見つけた伯父さんは、俺のことを誰よりも心配してくれていて。

「何かあったらいつでも帰ってこい。俺はずっと居るから」

「うん、ありがとう」