「帰るまでにおかずをいくつか作っておくから、持って行きなさいね」

「助かるなぁ。ありがとう」

料理は得意じゃないから、自炊と言えるレベルのことは何もしていない俺。

惣菜をスーパーやコンビニで買うことが徐々に増えてきていたから、母さんの手作り料理はとてもありがたい。

食後にあれこれ話しをしながら、特に何をするでもなく久しぶりの一家団欒を満喫した。

やっぱり実家はいいなぁと思う反面、楽しくなってきた大学生活もあって少しだけ複雑。

実家から通うには毎日が辛いし…。

「明後日まで居るんでしょう?明日は買い物へ行きましょうか」

「特に必要なものはないから大丈夫だよ」

「タケシ、母さんが買いたいんだから付き合ってあげなさい」

呆れたように笑う父さんに、どこへ行こうかしら?とウキウキしている母さんを見て、たまには一緒に買い物へ行くのも必要なのかもと思った。