女の子はこうやっていつまでも話が尽きること無く話し続けることが出来るんだ。

そんなふうにちょっと呆れながらもルナの話を聞いていて適当に相槌をうっていた。

「ねえ、タケシ…」

大きな公園の中に入り、散歩コースを歩きながらルナが前を見たまま俺の名前を呼んだ。

声のトーンも先ほどまでの他愛もない話とは違い、ちょっと沈んでいるようにも感じる。

「なに?」

ちらっと彼女の顔を見ると、まっすぐに前を見たままで。

「この公園さ、懐かしいね」

「え?」

ふと彼女の視線の先を見ると、そこには小さな女の子と男の子が楽しそうにブランコに乗っていて。

すぐそばで、その子たちのお母さんらしき人たちも笑いながら立っていた。

何を懐かしいと言ったのか俺には分からなくて。

この公園だって、始めて来たところだと思うんだけど。

「タケシ?」

「懐かしいって?」

ルナの手を少しだけ引く様にして立ち止まった俺に驚いたのか、ずっと前を見ていた彼女の視線が俺の視線とぶつかった。

「え?」