コインロッカーで荷物を取り出すと、こんなにもよく入っていたなと呆れるくらいの量で。

「半分よろしく!」

「おいおい…」

とても半分とは思えない量の荷物を押しつけられ、二人で並んで来た道を戻っていく。

その間、特に会話は無かったけど、なぜか楽しそうに鼻歌を歌いながら歩くルナを見ていると、すべてがどうでもいいかも、なんて思えてしまう。

「重…」

スーパーに寄って、ショッピングカートの下にルナの荷物を乗せて買い物をする。

一つ一つを手に取り、丁寧に野菜を選んでいるルナはすごく真剣な顔で「どうして国産が少ないの…」とぶつぶつ文句を言っていた。

彼女ほど食材にこだわりのない俺は、何でもいいと思うんだけどとてもそんな事を口にできる雰囲気じゃなくて。

「何でもさ、国産なら高ければいいってもんじゃないのにね」

「あー、うん、そうだね」

「…興味ないなら、そう言えばいいじゃん。どうでもいいって顔してるくせに」

むすっとしたルナがかごにホウレンソウを入れながら、俺をじろっと睨んできた。

昨日よりもナチュラルなメイクが、彼女を幼く見せていて。

そんな小さな体で睨まれても、怖くないし…。

なぜかすべて俺が支払いをして、ルナの荷物と買い物袋を両手にぶら下げ、手がしびれそうになりながら何とか帰宅した。