放送も終盤になり、
メッセージのコーナーの前のCMで、
桜井さんがスタジオ内に原稿を届けにきた。
「この3枚な、これを、一番最後に読んでくれ」
「わかった」
3枚の用紙を確認し、一番下の最後の紙は、手書きのようだった。
CMが終わり、メッセージを読み始める。
誰かが誰かに宛てたメッセージ。
感謝や、愛の告白、忠告、約束、等々。
代わりに私が心を込めて読む。
そして、
最後のメッセージになった。
「それでは、最後のメッセージです
TさんからMさんへ。
最初は、ちょっとおせっかいなお姉さんだと思ってた。
8つも年上で、話すことは噛みあわないし、
何より、君には、好きな人がいた。
でも、一緒に過ごす中で、君の優しさや、強さ、胸の痛みを知った。
君が倒れて入院した時は、
心配で堪らなかった。
傷ついた君を心の底から守りたいと思った。
それくらい、俺の心の中は、君でいっぱいになった。
年上だとか、年下だとか、そんなの関係なくね。
君の過去も、今も全部、俺は受け止めたい。
好き・・・だよ・・・愛し・・てる・・・・みの・・・り」
最後は、もう声にならなかった。
涙が、メッセージの紙に零れ落ちて、マイクに鳴き声が入らないようにするのがやっとで。
桜井さんが、気を利かせて、音楽を挿入して、CMに切り替えてくれた。
放送の締めくくりは、どうにか終えることが出来て、
私は、そのままスタジオを出て、トイレに駆け込み号泣した。