「ふふふ、実、また惚れ直しちゃったんじゃなーい?」
グラスを口につけ、ニヤリと口元を緩めた。
「もぉー、美耶子ってばー」
でも、実際、そうかも・・・・
ホントに、
今日の彼はステキに見える。
今も彼の姿を目で追う自分がいた。
そんな私の視線など
彼は気付くことないのに…
そんな私の視界に凄い形相で店の入口へ向かうロン毛くんが視界の右から左を駆け抜けた。
「あ、ロン毛くん…」
「どしたの?実さん?」
席についてくれたホストの子に問いかけられた。
「ううん、何でもない」
「実さん、あんまり飲んでないですね、
他のもの持ってきましょうか?」
「あ、ありがとう。
もう少ししたら仕事に行かないといけないの。
ウーロン茶、もらえる?」
隣の美耶子を見ると
楽しげに2人のホストと話してる。