市居くんのプレゼントを忘れないうちに渡そうと


ショップの袋を彼に渡した。


「はい、コレ、プレゼント」


彼の目の前に差し出した。


「え?! 俺に? ホントに?」


そう言って、嬉しそうに、袋の中を覗く。


「開けてもいいですか?」


「あ、その、たいしたモノじゃないから、私が帰ってからにしてもらっていい?」


だって、すでに、お店のカウンターに山積みにされてたプレゼントを見たら、


私の買ったネクタイなんて、絶対に霞んでしまうと思ったから。


「わかりました。あとで、ゆっくり開けさせてもらいます」


そう、いって紙袋に入れると、


マネージャーらしきヒトが彼に近寄り、


彼を祝う、来客の訪れを告げたよう。



「実さん、美耶子さん、ちょっと失礼します。

ゆっくり、楽しんでください。」

そう言って席を立ち
私達にお辞儀をして
彼を待つお客さんのもとへと去った。

入れ代わりに
私と美耶子の席には、他のホストがついてくれた。